愛知県の緊急事態宣言の期間は12日から31日までの20日間。名古屋市の飲食店が対象だった午後8時までの営業時間短縮が、県内すべての飲食店に求められる。酒類の提供やカラオケ設備の使用を続ける飲食店には休業要請する点が「これまでと一番大きく違う」(大村秀章知事)という。
県によると、県内に飲食店は約4万店。時短や休業に対する協力金は、中小企業で売上高に応じて1日4万~10万円、大企業には1日最大20万円を支払う。
時短や感染対策の状況を確認するための見回り活動を民間業者に委託し強化する。見回りでは、アクリル板などが設置されているか、カラオケ設備を使っていないかなど10項目を確認するという。
「まん延防止等重点措置」が適用されている名古屋市ではすでに取り組んでいるが、スポーツなど大規模イベントの入場上限は5千人となる。人の流れを抑制するため、事業者には在宅勤務(テレワーク)や休暇取得で出勤者数7割削減を求め、状況の公表を促す取り組みもする。
一方で、先に宣言が出ていた東京、大阪、京都、兵庫の4都府県がしていた百貨店や大型商業施設への休業要請はせず、午後8時までの時短要請とする。
大村氏は7日の記者会見で、愛知は「予防的観点」からの緊急事態宣言との認識を改めて示し、「閉鎖は大変に厳しい措置。社会経済活動に与える影響が非常に大きい」と、休業要請の弊害を強調した。ただ、名古屋市中心部にある多くの百貨店は現在、営業時間が午後8時まで。宣言が出ても大きな変更はないというが、JR名古屋高島屋は「来店客数は減るとみている」。売り上げの減少も覚悟せざるをえない。
感染拡大は続き、7日は過去最多の443人の感染を確認した。大村氏はこの日、重点措置が適用される岐阜、三重両県への通勤通学を除く移動の自粛も県民に求めた。
県は、追加の協力金やワクチン接種を加速するための大規模接種会場設営費(約23億円)などを含む総額537億円の補正予算案を、11日に臨時県議会に提出する。(小林圭、関謙次、根本晃)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル