安倍龍太郎
安定的な皇位継承のあり方を議論する政府の有識者会議(座長=清家篤・元慶応義塾長)は6日、最終報告の骨子を確認した。皇族減少に対する具体的方策として、①女性皇族が結婚後も皇室にとどまる、②旧宮家の男系男子が養子として皇族復帰する――の2案を軸とする報告書を年内にも取りまとめ、政府が国会に報告する。
この日の会議では、皇族数の確保策として2案を示し、それでも確保できない場合として、旧宮家の男系男子を養子ではなく、法律によって直接皇族とすることも提案した。男系男子による皇位継承を守る観点から自民党内に反対論が根強くある女性・女系天皇の是非などには触れなかった。
皇室典範では、皇位の継承は父方に天皇の血を引く「男系男子」のみと定めている。現在の継承資格者は順に秋篠宮さま(56)、秋篠宮さまの長男の悠仁さま(15)、上皇さまの弟の常陸宮さま(86)の3人。
悠仁さまが事実上、唯一次世代を担う存在で、皇位を継承する悠仁さまが男児を授かることも欠かせない。清家座長は会議後、記者団に「誰が継承資格を持つかは将来検討されるべき課題だ」と話した。
有識者会議は2017年に国会が天皇退位の特例法を制定した際、安定的な皇位継承を確保するための諸課題や、女性宮家の創設などを検討・報告するよう付帯決議で求めたことを受けて政府が設置。現在の皇位継承順位を変えないことを前提に議論を続けてきた。(安倍龍太郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル