弥生時代の大規模集落遺跡・青谷上寺地(あおやかみじち)遺跡(鳥取市)に整備中の鳥取県立青谷かみじち史跡公園で20日、遺跡から出土した約1800年前の頭蓋骨(ずがいこつ)やDNA情報をもとに作った「青谷弥生人」の復顔像の除幕式があった。県が2021年秋に復顔した青谷弥生人(のちに「青谷上寺朗(かみじろう)」と命名)に続く第2弾だ。24日にオープンする同公園で一般公開される。
この日、同公園のガイダンス展示室で地域住民らが見守る中、復顔像がお披露目された。遺伝的にやや縄文寄りの集団に入る中年男性の「上寺朗」とは異なり、渡来系の集団に含まれる10代前半とみられる男性だ。DNA情報から、髪が太く、肌の色調はやや濃いめ、二重まぶた、耳あかは「乾燥タイプ」、アルコール耐性が高かったといった特徴が推定されている。
実は第2弾の復顔は当初、女性となる予定だった。「上寺朗」は22年5月、全国から公募したそっくりさんグランプリが盛り上がるなど大きな話題を集めた。県はより遺跡を盛り上げようと、22年度から女性の復顔を進めることに。
比較的保存状態がよかった3個体の中から候補を絞り込み、若い女性とみられた1個体を選んだ。だが、22年9月にDNAの抽出に成功し、男性特有の「Y染色体」が含まれていることが判明。その後の解析でも男性であることが確認されたという。
除幕式で平井伸治知事は「女性だと思って研究していたら男の子だったと分かり、びっくりするぐらいかわいらしい子どもが出てきた」と感想を述べた。今後は展示施設で「上寺朗」と一緒に紹介するとし、「青谷上寺朗と似ている気もして、青谷だけに『ああ、おやこ(親子)』だなと。新しいシンボルとしてぜひ会いに来てかわいがってほしい」と得意のダジャレを交え、来場を呼びかけた。
地元の鳥取市立青谷中学校1年の山崎啓(ひらく)君(13)は「周囲に似た人はいないが、すごくイケメンだし、女性のアイドルにも見える。どんな暮らしをしていたのか興味がわいた」と笑顔で話した。
県は今後、「上寺朗」と同じように名前を公募するなどさまざまな活用策を検討している。同公園の西村芳将所長は「青谷上寺朗さんに大活躍して頂いているので、2体目の復顔像も人気ものになってくれるはず」と期待している。(大久保直樹)
最大の謎は散乱した109体の人骨
青谷上寺地遺跡は弥生時代に…
※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル