兵庫県姫路市立動物園は8日、人気の珍獣・ツチブタ「眠と(ミント)」が死んだと発表した。15年以上にわたって園内で独特の愛嬌(あいきょう)を振りまき、一部の熱烈なファンを獲得。近畿以西の動物園で飼育される唯一の個体だった。
ツチブタは、アフリカに生息するツチブタ科の哺乳類。ブタのような鼻やウサギのような耳、アリクイのような舌、カンガルーのような尾を持つ独特の姿をした珍獣で、例えようのない強烈な体臭も特徴という。
眠とは、平成16年に同園入り。日中よく眠る性質や香りのよいミントの語呂合わせで臭いを和らげたいという思いを込めて命名された。20年春の「ひめじ菓子博」開催時には、ツチブタ舎が会場に近かったため、悪臭被害を懸念して別の獣舎に“強制隔離”させられた過去も。
しかし、その臭い嗅ぎたさに訪れるファンも多く、夜間開園イベント「ナイトズー」では夜行性のため一番人気だった。
ここ最近は食欲がなく元気のない状態が続いていたといい、今月5日早朝に死んでいるのを飼育員が見つけた。死因は「肺膿瘍(はいのうよう)」と診断された。河野光彦飼育担当係長(53)は「平均寿命は15~20年とされるので、天寿をまっとうしたといえるが、昨年4月にも1頭が亡くなっており、とても寂しい」と話した。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース