原篤司
宮城県石巻市は5日、東日本大震災の津波で児童と教職員の計84人が犠牲・不明となった旧大川小を、震災遺構として18日から公開すると発表した。同日午前に遺族や関係者を招いて開場式を実施し、午後1時半から一般公開を始める。
敷地内に新たに建てられた「大川震災伝承館」では、付近の被災状況や当日の児童たちの動き、学校や市教育委員会の防災体制の不備を認めた大川小津波訴訟の判決内容などをパネル展示で紹介。震災前の学校周辺の様子を模型で再現したジオラマや、大川地区を紹介する映像も展示される。
津波に襲われた痕が残る校舎には立ち入れないが、校庭や中庭から内部を見ることはできる。追悼のための広場や、大型バスに対応する駐車場も整備した。今年4月の開所予定だったが、展示内容の検討などに時間がかかり、夏休み前のオープンとなった。
斎藤正美市長はこの日の定例記者会見で、「学校における避難のあり方をしっかりと伝承したい。一人でも多くの人に見学に来てもらい、防災教育に役立ててほしい」と話した。
入場無料で、伝承館の開館は午前9時から午後5時。休館日は基本的に毎週水曜と年末年始。(原篤司)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル