小林製薬(大阪市)の紅麴(こうじ)原料を使用したサプリメントが原因と疑われる健康被害が相次いでいる問題で、厚生労働省と市は30日、食品衛生法に基づき、原料を製造していた同社の大阪工場(同市淀川区)に立ち入り検査に入った。青カビがつくる「プベルル酸」が原因の可能性があり、製造工程などを調査した。
同工場では昨年12月までサプリメントの原料となる紅麴が製造されており、厚労省や小林製薬はその一部からプベルル酸が検出されたことを明らかにしている。今回報告されている腎疾患との関連はわかっていないが、厚労省と市の職員計16人が約5時間にわたって工場内の設備や記録を確認し、衛生管理の状況などを調べた。
検査後、同社の山下健司・製造本部長は記者団の取材に、「全面的に協力し、誠実に対応を進めていきたい。このたびは多大なるご迷惑ならびにご不安をおかけしていること、大変申し訳ありません」と謝罪。ただ、検査の内容については「我々今検査を受けている立場ですので内容についてはお話しできる立場にはない」「差し控えさせていただきます」などと繰り返した。
立ち入り検査は大阪工場に続いて、31日にも同社の和歌山県の工場でも実施される予定。
また厚労省は、小林製薬の紅麴原料を使う他社の製品についても状況を公表した。小林製薬から直接、紅麴原料を卸している52社については、1日あたりの紅麴摂取量が、小林製薬の回収対象となった3製品と同等量以上の製品がなく、健康被害は報告されていない。
卸を通じて原料を使用している173社の状況は、4月5日までに回答するよう求めている。(原田達矢、後藤一也)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル