令和の幕開けとなった2019年、Business Insider Japanから多くのヒット記事が生まれました。そんな注目の1本を紹介。
【全画像をみる】平均年齢30歳のIT企業に入社した還暦の大工。「1カ月お試し」のつもりが一瞬でなじんだ理由【令和ヒット記事】
※本記事は2019年8月29日に公開した記事の再掲です 。
「いや、分かりますよ。私も大工やってたからね」
約20人が働く静かなオフィスに、電話をしている男性の太い声だけが響く。
「『私も大工だったから』ってなべさんの口癖なんです。『私もそっち側の人間だから』もよく言ってますね」
ローカルワークスで人事を担当する坂下彩花さん(32)はニヤニヤしながら小声で解説した。
リフォームを希望する消費者と地域の工務店をつなぐサイト「リフォマ」を運営するローカルワークス(東京)。2014年創業、社員21人の平均年齢30歳という若い会社で大工歴30年の「なべさん」こと渡邉一伸さん(60)が働き始めて2年半が経った(ちなみに、なべさんの加入で同社の社員の平均年齢は一気に2歳上がった)。
ひ孫までいるなべさんは、なぜ還暦目前でIT企業の新入社員になったのか。そして見た目通りのアナログななべさんと同僚たちは、どうやって融和しているのだろうか。
「元気な若手」募集に「元気なシニア」が
2017年1月、坂下さんは会社の採用ページから送られてきた応募者の略歴に記載されていた「58歳、大工」という文字を二度見した。
同社はリフォーム会社の経営幹部だった清水勇介さん(43)が、ITを活用して建設業界の情報を透明化し、消費者がリフォームを依頼しやすいプラットフォームを構築しようと設立。2016年に「リフォマ」のサイトを開設し、当時は施工を受けてくれる加盟店を増やすためと営業に力を入れていた時期だった。
社長も40代前半、ほとんどの社員が20~30代前半の会社。坂下さんは「欲しかったのは若い営業スタッフ。小さなベンチャーだし、40代、50代の応募は想定していなかった」というが、「大工」の経歴が気になり、上司に「こういう人、NGですかねえ」と相談した。
相談を受けたCTOの竹本和彰さん(40)は「うちには現場のことが分かる人がいないから、何か勉強になるかもしれない」と、会ってみることにした。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース