三木一哉
北海道北部を走るJR留萌線(深川―留萌、50・1キロ)は3月末、石狩沼田―留萌(35・7キロ)が廃止される。残る深川―石狩沼田(14・4キロ)も3年後になくなり、留萌線はその姿を消す。留萌駅近くに事務所があるNPO法人「ワーコレるもい」の理事長、葛西忠雄さん(62)は、地域のためにもっと活用できるチャンスは何度かあったと考えている。
葛西さんはかつて留萌駅の駅員だったが、1987年に解雇された。当時、国鉄解体によって大量解雇された労働組合「国労」の組合員。その後、再雇用を求めて戦った留萌闘争団の団長を務めた。
葛西さんが考える最初のチャンスは、留萌駅近くにある港湾施設の転用だ。
港湾にあった石炭を搬出するための貯炭場は、輸入炭の貯炭に使うこともできた。地元産業界には、広い海岸部に石油タンクをつくって、原油輸入の基地をつくる動きもあった。
「だけど、JRや道、国が一体となって推進しよう、という勢いがなかった」
次にあったチャンスは新駅計画だ。
留萌線の線路に沿って留萌高校、市立病院があったが、最寄りの場所に駅がなかった。市議会での新駅建設の署名や陳情がたびたびあった。
だが、JRや市は首を縦に振らなかった。
「利用者を増やす努力をせず、何もやらない口実を繰り出してきた」(三木一哉)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル