神戸市北区の路上で2010年10月、高校2年の堤将太さん(当時16)が刺殺された事件で、父の敏さん(62)が10日、朝日新聞の取材に応じた。当時17歳だった男(28)が4日に殺人容疑で逮捕された。敏さんは「あの日から10年10カ月止まっていた時計がようやく1秒動いた」と語った。
4日午前11時48分、自宅の電話が鳴った。敏さんは妻の正子さんとリビングで、東京五輪のテレビ中継を見ていた。かけてきたのは、月に1回ほど捜査状況などの連絡をくれる兵庫県警神戸北署の担当刑事。緊張感のある声だった。「先ほど、容疑者を逮捕しました」
敏さんは驚きで声が出なかった。近くにあったメモ用紙に「はんにんつかまった」とボールペンで殴り書きし、妻の方へ投げた。
そこからしばらく、記憶が途…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル