2018年9月6日、北海道で初めてとなる震度7の地震が起きた。
震源から60キロ離れた札幌市清田区里塚地区では液状化現象により多くの住宅が傾き、地面が陥没したため、元の街並みが消えてしまった。
住民が去り、寂しさを増す住宅街で冬の間も家々は傾き続けていた。
里塚地区は札幌五輪のころに宅地造成された場所。責任はどこにあるのだろうか…。経済的な壁に直面し住民のいら立ちが募っていく。
一方、町内会は自らパトロールし、餅つき大会も開催。元の生活を願う住民の合言葉は、「がんばるべぇ さとづか」。
地震発生から7か月、今も家が傾き続ける里塚地区。北海道文化放送の川上椋輔アナウンサーが住民たちの復興への歩みを追う。
そして後編では、里塚の住民たちを襲ったさらなる脅威と住民たちの苦渋の決断に迫っていく。
震災後2か月経っても沈み続ける家
もとの里塚の姿を取り戻したい。
復興に向け、自ら被災しながらも住民同士が集まり動き始める。復興委員会を結成し、札幌市との連携を目指す要望書を提出。地震から1か月後には住民に呼びかけ、意見交流会も開催した。
「一日も早くもとの日常生活に戻りたい。復興を祈っている状況はみんな変わりないと思います。そのひとつの目標に向かって、町内会も皆さまと一緒に前を向いて進んでいきたい」(里塚中央町内会・盛田久夫さん)
しかし、さらに新たな脅威が住民を襲った。
「震災の直後を何でもなかったんですけど、地盤がどんどんずれていたんですよね。2日で1センチぐらいは動いてるような状態だったんです。それで傾きが少し出てきた」(住民)
「鳥の世話をするので毎日通っていた。足を乗せた時に陥没したのでわかりました」(住民)
「巡回していたときに、アスファルトが陥没しているのを見つけて。マンホール大ぐらいの大きさで、深さ30センチぐらいの穴が空いてて」(住民)
地震から2か月経っても、地面は沈み続けた。土台の下の土がなくなり、中には浮いたような家もあった。
また、来たる冬に備え、道路の応急舗装が進む中でも地面は沈み続けていく。人知れず、地下で進む空洞化。しかし、傾き続ける家は、住人たちにとってかけがえのないマイホームなのだ。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース