新型コロナウイルスの感染再拡大が止まらず、大阪府が3度目の緊急事態宣言を政府に要請する。街の人出を抑える狙いだが、市民からは「またか」「遅すぎる」との声も。学校の授業は続く見込みだが、オンラインの活用が推奨され、子どもたちへの影響は避けられそうにない。
吉村洋文府知事が休業要請を検討している百貨店やテーマパークは、19日も客が行き交っていた。
「困りますね。飲食店が時短営業で利用しにくい中、週に2、3回、仕事後に夕飯のお総菜などを購入しているので……」。大阪市北区の「阪神梅田本店」で食品を購入していた大阪市中央区の女性会社員(51)は言う。「百貨店では検温や手指消毒など感染対策を徹底しているので、休業要請は必要ないのでは」
一方、兵庫県尼崎市から妻と食料品を買いに来た美容師の男性(41)は賛成の立場。「飲食店が時短営業しても、路上で宴会を開いている人の姿をたくさん見かける。大型施設が休業することで緊迫感を感じさせ、行動を変化させる効果はあると思う」と話す。
「もう3回目でしょ。効果あるんですかね」。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ・大阪市此花区)を訪れていた大阪府茨木市の携帯電話販売会社に勤める女性(34)は苦笑いした。長女(2)と来ていた大阪市平野区の専業主婦の女性(31)は「もう1千人超えの感染者数にも慣れてしまった」。ただ、休業要請には賛成だ。「みんなが『USJが閉まるほどやばいんや』って思えば何か変わるかもしれんし」
今回、吉村知事は飲食店にも休業を要請する考えを明かしている。「最初からまん延防止等重点措置ではなくて、緊急事態宣言を出していれば、今ほどの感染拡大は抑えられたはず」と語るのは大阪市北区の居酒屋「もんぱーる」の店主、山本光恵さん(58)。同店では、重点措置で4月の客数は例年の10分の1に落ち込んでいるという。「そりゃ、休業要請が出れば店の経営はさらに苦しくなるよ。でも徹底した強い措置で感染拡大を抑え込まないと、いつまでもこの状況が続く」と話す。
同区の居酒屋「ぼん蔵」の店主、中島護さん(58)も休業要請に応じる考え。「大阪の感染状況を考えたら、うちだけお上の要請に従わないわけにはいかない。もちろん休業要請するなら、補償体制は整えてもらわなあかんけど」
同区の中華料理店主の男性(44)は「この1年、同じことの繰り返し。何も変わってないですよ」と憤る。経営をやりくりしても3人いた従業員を雇えなくなった。店内には、休日に買い集めたアクリル板が真新しいまま残っている。「休業するなら急いで買わんでよかったね。早く普通の生活に戻りたいですよ」とため息をついた。(浪間新太、華野優気)
「小学生は大学生のようにはいかない」
緊急事態宣言下でも、一斉休…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル