「スマスイ」の愛称で知られる神戸市立須磨海浜水族園が揺れている。集客拡大をめざして施設の建て替えと運営を民間に委ねる市の再整備計画をめぐり、大幅に値上げされる入場料設定などに市民の一部が反発。入場者数を2倍に伸ばそうとする市は、集客に効果があるというシャチを迎え入れる予定だが、その行方は、さて?
市民ら反対パレード
「利用者への説明がないまま、スマスイ60年間の歴史が一掃されてしまう」
11月22日、神戸市役所を訪ね、再整備計画の見直しを求める署名7031筆を担当者に手渡した同市垂水区の看護師・大竹奈緒子さん(45)は取材にそう語った。「須磨水族園を考える会」の代表もつとめる。
この計画は、水族園と須磨海浜公園を一体型リゾートとして整備するもの。築30年を超え老朽化が目立つ水族園は2021年以降、解体・建て替え工事に入り、24年春までに新装オープンをめざす。市は再整備を民間に委ね、新装後の運営も任せる「民設民営」への転換を17年に決定。公募と市選定委員会による審査を経て、今年9月、サンケイビルなど7社の共同事業体の計画案を評価し、優先交渉権者に選んだ。
波紋を呼んだのは、新装後の入場料だ。現行1300円(大人)、800円(高校生)の入館料が一律3100円に。500円だった小・中学生と、無料だった幼児のうち4~6歳は1800円に上がるとされた。全国の主立った水族館の中でも最高額だ。
市に署名を提出した大竹さんは、4歳~小学3年の子ども3人と一緒に月1回は水族園に通っている。「スマスイは、子どもが生き物にふれられる身近な学習施設。新しい料金だと行けなくなる」と不満を述べ、「事業者と契約する前に市民の声を聴いてほしい」と求める。今後も署名集めを続けるといい、市民らに反対を呼びかけるパレードも計画している。地元・須磨区で飲食店を営む40代の男性は「スマスイを長く支えてきた地域の人たちの意見を十分聴いてから進めていれば……」という。
変更点は他にもある。神戸市と…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル