戦時中に大阪で生まれ、祖国・韓国と大阪のはざまを生きた在日コリアン男性がいた。平和を願って活動した男性の没後10年を機に、功績を振り返る催しが3月4日、大阪市である。
男性は2012年12月に亡くなった高仁鳳(コウインボン)さん。
「高仁鳳の軌跡」実行委員会によると、4歳で日本が敗戦した後、母と兄と共に朝鮮半島へ渡った。兄は朝鮮戦争に徴兵されて戦地へ。母が戦争中に病死したため、12歳の時に父が暮らす大阪へ戻った。
大阪で印刷会社を起こすと、いち早くハングル文字をコンピューターで自動写植するシステムを導入。角川書店の「朝鮮語大辞典」の印刷の一部を請け負うなど事業を広げ、90年代には中国語やベトナム語、アラビア語などの多言語印刷を展開した。
平和への願いも強かった。異…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル