アフリカ諸国への支援を話し合うため28~30日に横浜市で開かれる第7回アフリカ開発会議(TICAD7)で採択する首脳間文書「横浜宣言」に廃棄物管理の重要性を明記することが1日、分かった。人口増加に伴い都市部のごみ処理が追いつかず社会課題となっている現状を踏まえ、日本の技術提供や人材育成を通じ生活環境の改善に貢献する姿勢をアピールする。
アフリカには中国が巨額の経済援助を行い、道路などのインフラ整備を進めているが、日本が得意とする廃棄物処理技術で中国との差別化を図る狙いもある。
1993年に第1回が開かれたTICADは当初、食糧や医療支援を通じた貧困対策が柱だった。アフリカの経済成長に伴い、農業やインフラ開発を通じた幅広い中間層の創出を重視。ケニアのナイロビで行われた前回の第6回(2016年)で合意した「ナイロビ宣言」は「都市問題の解決」を明記した。
これを踏まえ、横浜宣言では都市部のごみ低減に向けた取り組みを後押しする。TICAD7に先立ち環境省が主催する26、27両日の関連会合で、廃棄物の運搬体制確保や最終処分場の安全性向上、3R(廃棄物の発生抑制・再使用・再生利用)推進を確認。都市廃棄物に関する知見を各国が共有し、国連が定める「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成を申し合わせる。
政府はTICAD7後の9月にもモザンビークの首都マプトの廃棄物処理場で、ごみの埋め立て方法の技術指導に乗り出す。福岡市などが開発した「福岡方式」と呼ばれる処理方法を提供。埋め立て地の底に排水管を通し、外気を取り込んで微生物による生ごみや焼却灰の分解を促すことで有害物質の発生を抑制する。低コストで建設できるため、途上国でも導入が容易とされる。
福岡方式の普及に合わせ、廃棄物処理の実務に詳しい横浜市など地方自治体の職員を各国に派遣することも検討する。ごみのデータ収集から回収、運搬といった廃棄物処理全般のノウハウで日本の最新技術の導入を支援したい考えだ。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース