10月19日、東京では新型コロナウイルスに新たに78人の感染が確認された。
その東京都の都議会で、「新型コロナウイルス対策として“罰則を設ける”」条例案が物議をかもしている。
新型コロナウイルス対策として「罰則」は必要なのか否かだ。 【画像】当てはまれば5万円以下。2つの過料の対象条件
新型コロナ対策の“罰則”とは?
12月の都議会への条例案の提出を考えているのは、小池都知事が特別顧問を務めています東京都民ファーストの会。対象となるのは大きく2つ。 〈過料の対象〉
(1)感染がわかった後に出歩いて、一定人数以上感染させてしまうケース。
(2)お店などが対象になるが、休業・時短要請に従わず、また感染対策のガイドラインも守っていない。 上記2つの場合には、5万円以下の過料を、罰則として設けようという話が出ている。 都民ファーストの会の伊藤悠都議によると、「感染した人はあくまでも本人が悪いわけではなく、被害者的な立場である」という認識の上で、この条例案の目的は3つあるとしている。 〈条例案の目的〉
(1)迷惑行為を起こさせないということ。
(2)経済を止めないということ。
(3)感染第3波を起こさせないためとしている。 そしてもう1つ、根拠となっている「都民ファーストの会が独自に行ったアンケート調査」によると、『陽性者が要請に従うよう罰則を科すべき』と答えた人が半数以上の54.6%に上っているため、こういった条例案を出そうと話している。 一方、都議会の自民党はこれに反発している。
その理由について、川松真一朗都議はこのように話している。 〈条例案異議の理由〉
(1)誰が誰に感染させたか特定できない。立証は難しい。
(2)傷害罪や威力業務妨害など、現行法でも十分に対応できている。
(3)コロナ差別を助長させてしまう恐れがある。 こういった3つの理由で、反発を示している。 このあたり、どういう議論になっていくのか?
目的はコロナ感染を広げない
加藤綾子キャスター:
都民ファーストの会のこの案というのは、いかがですか? ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
賛成・反対と簡単には言えないテーマだと思うのですが、要は感染を拡大させないというのが一番大切なことであって、過料を科す・科さないというのは別な問題だと思うんですよ。
そういう意味で言うと、強制的に、強引にこうしなさいということになると、意外と強い反発を招くのではないかと思います。 加藤綾子キャスター:
これまで強制力がないところで、感染が広がってしまったケースもありましたよね? ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
でも、ここで条例あるいは法律のような形で強制的に上からキチっとやってしまうと、妙な強い反発を招くと、本来感染を拡大させないための効果を期待したいのだけれども、その効果が半減、あるいは弱くなってしまうんじゃないか。 そう考えると、こういう条例を出すことによって、徹底して賛成反対、何が自分たちは主張したいのかということを、双方じっくりと合意形成のために、時間をかけて議論をすることが大切かな。それによって導き出されたものであれば、その強い反発も出にくくなると思うんですよ。 加藤綾子キャスター:
誰がうつしたかということになると、犯人扱いというか、あの人がうつしたんでしょ?というような感染したことへの罪悪感みたいなものが… ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
それが目的じゃないでしょ。目的は感染を広げないようにすることだから 加藤綾子キャスター:
その後の行動ってことですよね。陽性って分かっているのに出歩いてしまうとか。そういうところをなんとかしたいという思いなんでしょうけれど…
Source : 国内 – Yahoo!ニュース