新型コロナウイルスに関する政府の専門家会議が、条件付きで学校活動や文化施設の再開を認める新見解をまとめたことを受け、九州では20日、長崎県が県立学校の新学期を予定通り4月から始める方針を決めるなど、自治体の一部が自粛解除へ動きだした。政府は同日の対策本部会合で、一斉休校要請の延長見送りを確認しており今後、各地で学校再開などを目指す検討が本格化しそうだ。
長崎県教育委員会は休校している県立学校について、4月8日から、新学期をスタートさせる方針を決めた。今月24日の修了式までに新学期について考え方を示すことで、学校現場や保護者の混乱を最小限に抑えるのが目的。禁止中の部活動も生徒の体調確認や体育館などの小まめな換気といった感染拡大防止を徹底した上で、25日からの春休み期間中の再開を認める。
佐賀県教委も県立学校の部活動に関し、春休みから再開する方針。ただ、合宿や県外チームとの試合は引き続き自粛し、大人数が密集する活動は避けるなどの対策を講じる。必要最小限の登校日の設定や、学習の遅れなどで児童生徒への指導が必要な場合の授業や補習も可能とした。新学期の対応は、政府見解を踏まえ判断するという。
スポーツや文化施設を通常の運営に戻す自治体も。福岡県柳川市は、テニスコートなど市の屋外体育施設について、一斉休校が始まった2日から続いていた小中高生の利用制限を解除。同市教委の担当者は「休校で家にこもりがちな子どもたちのストレスを緩和するため」と話す。
北九州市は臨時休館中の図書館や美術館などの文化・観光施設を来週以降、順次開館する方針。図書館では飛沫(ひまつ)感染防止のため、貸出窓口をアクリル板で覆うなどの対策を取る。
福岡市は、臨時休館中の市美術館や福岡アジア美術館、市博物館、市科学館、市総合図書館などを21日から開館し、市立学校の校庭の開放も再開する。(岡部由佳里、北島剛、森竜太郎、内田完爾、大坪拓也)
西日本新聞社
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