白石和之
「錦鯉(にしきごい)の発祥地・小千谷」を全国に売り込むため、新潟県小千谷市があの手この手のPRに取り組んでいる。東京駅そばの池に錦鯉を泳がせ、同名のお笑いコンビにオブジェを贈った。人気で先行する錦鯉にあやかって市の知名度アップを期待する。
JR東京駅日本橋口から徒歩1分。三菱地所が再開発を進める地区の大規模広場の一角に、緑に囲まれた錦鯉鑑賞池が完成。昨年11月にお披露目会があり、小千谷縮の半纏(はんてん)を着た大塚昇一市長が錦鯉を放流した。
広さ58平方メートルの池に泳ぐのは、白地に赤い模様がある「紅白」など厳選して運んだ50匹。東京駅前は外国人観光客が行き交う。「泳ぐ宝石」として世界に愛好家が多い錦鯉を再開発地の目玉にしようとする同社と、知名度アップを狙う市の期待が一致し、実現した。池の周りの広場で市のPRイベントも開く。
また、市は12月、結成15年以内の漫才王者を決める「M―1グランプリ2021」で優勝したお笑いコンビ「錦鯉」に、祝福を込めてめでたい紅白の錦鯉の強化プラスチック製オブジェ(長さ58センチ)を贈った。
「錦鯉」のコンビの1人、長谷川雅紀さんはテレビ番組の撮影で市の観光施設「錦鯉の里」を訪れ、鯉のオーナーになっていた。優勝後のツイッターでは、オブジェ贈呈のニュースを紹介しつつ、「ありがとうございます 今後とも、よろしくお願いします」とメッセージを寄せた。
大塚市長は「海外からの観光客やオフィス街の人たちに錦鯉を見てもらい、小千谷の名前も覚えてもらいたい。『錦鯉』の2人にも鯉の滝登りのようにさらに活躍し、市にも改めて来てほしい。どちらも小千谷を知ってもらういい機会になる」と期待している。(白石和之)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル