東京都の小池百合子知事は29日の定例会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休業要請を3段階で緩和する「ロードマップ(行程表)」について、6月1日午前0時に「ステップ2」へ移行すると発表した。週明けから、劇場やスポーツジムなどが営業再開可能となる。一方で、都内では29日、22人の新規感染者が確認され、15日ぶりの20人超えとなった。小池氏は新たな標語として「ウィズコロナ(コロナと共に)」と掲げ、「第2波への警戒は高まっている。営業再開に当たり、感染防止対策を徹底してほしい」と呼び掛けた。
経済活動の本格的な再始動と共にスタートする「ウィズコロナ」生活は、感染の“第2波”への警戒と隣り合わせとなりそうだ。
小池氏はこの日、休業要請などの緩和措置を、現段階の「ステップ1」から「ステップ2」へ、6月1日に移行することを発表した。映画館やスポーツジム、これまで生活必需品売り場のみの営業だったショッピングモールなどが緩和対象となる。都立学校も、週明けから分散通学で再開する。
都はこれまで、30日に「ステップ2」への移行を検討していたが、当初案より2日後ろ倒しとなった。小池氏は「この週末を、ガイドラインの再確認や、感染防止対策の徹底に利用してもらうためだ」と説明。また、「ステップ3」への移行は「臨機応変に対応する」とし、観察目安となる2週間を待たずに移行する可能性にも言及した。
各業界で営業再開の動きが高まる一方で、緊急事態宣言が25日に解除されて以降、都内の新規感染者数は微増傾向にある。29日の都内の感染者数は22人に上り、14日の30人以来、15日ぶりの20人超に。また、都が緩和を判断する7つの指標のうち、直近7日間の新規陽性者中で感染経路不明の割合は、3日連続で目安の50%を超えている。
感染の“第2波”が懸念される中での、今回のステップ移行について、小池氏は「経路不明については、夜の繁華街との関連が判明したケースを除けば50%を下回る」と説明。直近7日間の新規陽性者数が基準の「1日平均20人未満」を下回っていることに触れ、「専門家からは、次のステップへ進むのは『妥当』とのご意見を頂戴した」と説明した。
小池氏は、「現在もなお一定数の新規陽性者が発生いたしているのも事実。ウイルスと共存する『ウィズコロナ』の考え方で、引き続きマスクの着用や、都県境を越えた不要不急の移動は控えてほしい」と呼び掛けた。
◆2か月ぶりマスク外し会見 口紅忘れた
○…小池氏は会見開始から約40分過ぎた終盤、「ひょっとして私、口紅忘れてる?」と、報道陣に笑いながら問いかける一幕があった。3月30日の会見以来、約2か月ぶりにマスクを外しての会見となったが、「特に意味はありませんが、(報道陣が)2メートル以上離れてらっしゃるし。ただ、私はすごいと思うんですよ。わざわざ印をつけなくてもみんなソーシャルディスタンスを守ってる」と、“リップサービス”で会見場を後にした。
◆感染者数4日連続2桁 死者は300人超え
東京都では29日、新型コロナウイルスの感染者が新たに22人確認され、うち経路不明は13人だった。累計の感染者数は5217人。1日あたりの感染者数が2桁となるのは4日連続。この日は3人の死亡が報告され、累計の死者数は302人となった。直近7日間の1日当たり平均の新規陽性者数は約11・7人となり、やや増える傾向が出ている。都とは別に、武蔵野中央病院(小金井市)は、新たに患者7人の感染を確認したと発表した。既に感染が分かっていた9人と合わせ、同病院での感染者は計16人になった。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース