第35回全日本マーチングコンテストの帝京安積高校(福島県郡山市)の演奏で、一人バトンを手に、しなやかに、また躍動感のある技を披露したのがドラムメジャーの3年生吉田美結さん(18)だ。観客の心をつかみ、楽しんでもらえるマーチングとはどんなものか――。仲間たちと手探りしてつかんだキーワードは「関西風」だった。
他の強豪校より部員の少ない同高吹奏楽部は、部員全員が座奏の吹奏楽と動きながら演奏するマーチングの二足のわらじをはいている。吉田さんは「観客の笑顔、反応を間近に感じることが出来るマーチングの方が好き」派。帝京安積に入学したのも、マーチングがしたかったからだ。
1年生の時はコロナ禍で中止となった全国大会に2年生で初めて臨み、会場を包む熱気に圧倒された。なかでも、関西のチームが演奏したときの観客の拍手など「のりのよさ」が印象的だった。
なぜなのか、その時はわからなかった。だが気になり、収録動画をずっと見ているうちに気づいた。
「六甲おろし」など選曲がユ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル