立憲民主党が衆参合わせて150人の国会議員が所属する野党の合流新党として再スタートしたことで、枝野幸男代表が「政権の選択肢」という言葉を口にする機会が増えてきた。 新党に合流した小沢一郎衆院議員からは「この1年以内に必ず政権をとる」という声があがるなかで、枝野氏は「政権交代」という言葉や、それに向けたスケジュールを語ることには慎重だ。枝野氏は2020年9月23日、東京・丸ノ内の日本外国特派員協会で記者会見し、この真意を明かした。 ■小沢氏は「この1年以内に必ず政権を取る」 小沢一郎衆院議員は9月21日に行った講演で、仮に解散がなくても衆院議員の任期満了が21年10月に迫っていることを念頭に、 「この1年以内に必ず政権を取る。そう心の中で決めている」 などと次期総選挙で政権交代を目指す考えを示していた。 一方の枝野氏は、9月22日に佐賀市内で行った街頭演説で、 「是非みなさん、私たちと一緒に、もうひとつの選択肢を育ててくれませんか」 などと政権交代を目指すことに言及。サガテレビがこの日夕方のニュースで、 「佐賀訪れ街頭演説など 枝野代表 次期衆院選で政権交代目指す」 の見出しで報じていた。 記者会見では、「次期衆院選で政権交代」という表現が妥当かを確認する質問に対して、枝野氏は 「『いつまでに政権を取るか』というのは試験勉強ではないので、スケジュールを立てて、それに基づいて進めていく性質のものではないと認識している」 などと応じ、報道には否定的な見方を示した。ただし、 「小選挙区を中心とする衆院の選挙制度を取っている限りは、最大野党の党首は、次の選挙の後に総理大臣を目指す、その覚悟がなければやってはいけない仕事だと思っている」 とも述べた。
「私があえて『選択肢』という言葉を多用しているのは」…
さらに、「選択肢」という言葉を用いる理由も説明。実際の政権交代の前段階として位置づけているようだ。 「私があえて『選択肢』という言葉を多用しているのは、まずは次の総選挙の公示の時点までに、選択肢として認めていただきたい。その上で、2つの選択肢のどちらを選ぶのかという選挙で我々を選んでください、という選挙に持ち込みたい。したがって、現在はまず『選択肢』になりたい。『選択肢』にしていただけるように頑張りたい、こういうことを訴えている」 一方で枝野氏は、二大政党制のあり方について、次のように述べてもいる。「足腰」強化にどの程度の時間がかかるかも論点になりそうだ。 「自民党の強さは、私は、いわゆる『足腰の強さ』だと思う。地域における運動量、活動量、それが地方自治体議員も含めたネットワークとして、それは我々と比較にならないぐらい強い。やはり我々は、そこを作っていかない限り、いわゆる二大政党的な構造は作れない。そういった意味では、(綱領の制定で)掲げる旗印を明確にしたというのは大きな前進だと思っているが、やはり本当の意味で政権交代が適度に行われる状況を作るためには、やはり『足腰』、地方組織や自治体組織の仲間、そういったところを強化する。それが決定的に必要だ」 特派員協会で現役の首相が会見したのは、小泉純一郎氏(在任:01~06年)が最後。枝野氏が首相として改めて会見することを期待する声には、「是非、来年の今頃ぐらいに来たい」と応じて会見場を後にした。 (J-CASTニュース編集部 工藤博司)
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