足立優心、西本ゆか
横浜中華街の「聘珍樓(へいちんろう)横濱本店」を経営していた聘珍樓(横浜市中区)が、横浜地裁から破産手続きの開始決定を受けたと、民間の調査会社が2日、発表した。決定は2日付。負債総額は3億円を超える見通しという。
帝国データバンクによると、聘珍樓は1884(明治17)年創業の旧聘珍樓が前身。横濱本店は、横浜中華街で現存する最古の中華料理店として知られ、2007年3月期は年間売上高約107億9900万円を計上していた。しかし、高コスト体質で収益が減り、リストラなどで立て直しを図ったが改善に至らず、全事業を別法人に譲渡したという。横濱本店は聘珍樓が継承していたが、新型コロナウイルスの影響などを受け、移転のため先月15日に閉店した。
本店以外の店舗は別法人によって運営されている。
聘珍樓は、横浜港開港に伴う外国人居留地開設から四半世紀後、中華街大通りに2階建ての中華料理店として看板を上げたとされる。1986年に現在の7階建てビルに改築し、中華街屈指の大型店となった。広東料理の名店として知られ、周富徳さんら多くの料理人の修業や活躍の場でもあった。
東京や大阪で他のレストランを運営する別法人の担当者によると、横濱本店の閉店はコロナ禍で予定を急きょ2年前倒したもので、横濱本店が移転再開した際の運営を別法人が担うか、今回破産開始した「聘珍樓」が担うかは、まだ決まっていなかったという。担当者は「(破産開始した「聘珍樓」は)中華街の横濱本店だけを運営することが業務で、他のレストランなどへの影響はない。横濱本店の移転先は引き続き探しており、移転再開の計画にも変わりはない」と話した。(足立優心、西本ゆか)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル