業務上横領容疑で逮捕された元参院議員の山内俊夫容疑者(74)=東京都港区=が、空港の格納庫事業をめぐり28億円を出資した投資会社に「3、4カ月で50億~60億円で転売できる」と説明していたことが関係者への取材でわかった。
警視庁は30日、山内容疑者を送検した。出資金のうち計約2億3千万円を着服したとみて、裏付け捜査を進めている。
捜査2課によると、逮捕容疑は2019年3月、格納庫の売買を手がける羽田空港格納庫合同会社(東京都渋谷区)の資金約1億円を着服したというもの。「職務執行者」として合同会社の経営に関与していたという。捜査関係者によると、「一部を目的外の支出に充てた。格納庫が転売できたら金を返すつもりだった」などと供述しているという。
捜査関係者によると、着服したとされる約1億円の原資は、山内容疑者が懇意にしていた投資会社の出資金とみられる。投資会社は合同会社に社員として名を連ねており、山内容疑者から「空港の格納庫を買って転売すればもうかる」などと誘われ、18年4月に約28億円を出資していた。
関係者によると、山内容疑者は当初「3~4カ月で転売が可能」などと説明していた。1年経っても進展がないため、投資会社が調べたところ、着服が分かったという。山内容疑者は逮捕前、合同会社の聞き取りに対し、約2億1700万円の私的流用を認めていたという。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル