東京電力福島第一原発事故後に福島県内の除染で出た汚染土を県内外の道路工事などで再利用する。そんな国の計画への理解が全国で広がっていないことが、朝日新聞の知事アンケートで浮き彫りになった。7知事が反対し、他の知事も「安全性がまだわからない」「判断できない」「回答を差し控える」などと答え、賛成の回答はなかった。
アンケートは1~2月に実施。福島を除く46都道府県の知事に賛否を尋ねた。福岡は知事が入院中として副知事が答えた。「県民の理解が得られると思えない」などとして道路や農地造成に使うことに反対した知事が5人、道路だけ、農地だけ反対した知事がそれぞれ1人ずついた。
汚染土は2045年までに県外に搬出して最終処分すると法律で定められている。中間貯蔵施設への搬入量は来春に約1400万立方メートル(東京ドーム11個分)に達する見込み。国は、膨大な量をすべて最終処分するのは現実的でないとして全体の8割を再利用したい考え。放射能濃度が比較的低い汚染土を普通の土で覆うなどの手法を想定し、24年度までに用途や管理方法などをまとめる方針だ。
実際に処分量をどれだけ減らせるかはまだ見通せないとして、最終処分の候補地選定プロセスなどは一切示していない。アンケートでは最終処分の受け入れ意向も聞いた。8知事は「受け入れることはできない」と拒否。ほかの知事は、国が工程を示していないなどとして「回答できない」「どちらとも言えない」と答えた。(福地慶太郎、戸田政考)
「30年の我慢」と言い聞かせて来たが
福島県内で出た汚染土を県外で…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル