伊藤誠
古都奈良で自由な発想を形にしてもらおうと、NPO法人・なら国際映画祭が「ユース映画制作ワークショップ」を奈良市で開いている。6回目となる今年は、奈良の発信に取り組んでいる河瀬直美監督のほか、高知県を拠点に活動する安藤桃子監督が特別講師として中高生らの指導にあたっている。
「なら国際映画祭for Youth2023」(9月16~18日)の一環。今年は県内外から参加した中高生ら11人が初参加5人と経験者6人の2チームに分かれて7月30日から今月6日まで、それぞれが企画、台本作り、ロケハン、撮影などに取り組んでいる。
安藤監督が提案した映画のテーマは「羅針盤」。制作する映画は15分ほどの短編だ。同市高畑町の「ホテル尾花」を拠点に2チームが議論を重ね、両監督のアドバイスを受けながら企画を練り上げていった。
3日は、いよいよ撮影前のロケハン。出発前、同ホテルで安藤監督は「一番大切なのは、『伝えたい』というハートだということを忘れないで」と全員に声をかけた。初参加チームには河瀬監督が同行し、県立高円芸術高校(同市)などへ出かけた。
同高では、教室や屋上、駐輪場などを巡って撮影場所を決め、河瀬監督が撮影方法などを指導。「みんな、どんどん発言するようになって、私自身も刺激を受けています」
最年少で参加した中学2年、上村紳太郎さん(13)=奈良市=は動画の撮影や編集が大好きで、母親から参加を勧められた。「1対1で教えてもらってうれしい。将来の仕事の選択肢が増えた」と笑顔で語った。
6日まで撮影や編集を行い、同日午後6時半から春日大社大宿所(同市餅飯殿〈もちいどの〉町)で試写会(予約制、無料)がある。予約はホームページ(https://nara-iff.jp/news/2626/)から。(伊藤誠)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル