国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展の一つである「表現の不自由展・その後」が8月3日で中止されることになった。慰安婦をテーマにした少女像の展示に抗議が続き、脅迫行為もあったという。
あいちトリエンナーレの芸術監督を務める津田大介さんは同日夕方に会見を開いた。「表現の不自由展・その後」への抗議や中止は開催前から想定の範囲内だったことを明かした一方、「これを続けるとトリエンナーレそのものが成立しない」として、「わずか3日で作品を撤去するのは断腸の思い」と苦渋の決断だったと明かした。
その上で、「表現の自由」というデリケートなテーマを「民間よりも表現の自由が薄い」と言われる公立美術館でやることで「物議をあえて醸すことに意味がある」と思っていたという。
ただ、「鳴り止まない電話」のような予想を超える反響が事務局などに寄せられたことに「ジャーナリストとしてのエゴだったとも感じています」と打ち明け、責任を「大きく感じている」と話した。(ハフポスト日本版・安藤健二)
あいちトリエンナーレとは?
愛知県を舞台に8月1日開幕した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」は2010年に始まった。4回目となる今回は、ジャーナリストの津田大介さんが芸術監督を務め、「情の時代」をテーマに掲げている。
目玉となっていた企画展「表現の不自由展・その後」は、愛知芸術文化センター(名古屋市東区)で開かれており、様々な理由で表現の場を奪われたという20数点の作品が展示されている。
その中の一つで、韓国人彫刻家が「元慰安婦の苦痛を記憶する」ための象徴として手がけた「平和の少女像」に関して、抗議電話が8月1日だけで約200件あった。河村たかし・名古屋市長が展示中止を含めた適切な対応を求める抗議文を提出していた。
こうした動きを受けて、芸術祭の実行委員会の会長を務める大村秀章・愛知県知事が、3日午後5時から記者会見を開いた。
「テロ予告や脅迫と取れるような電話やメールが来て、安全な運営が危惧される」と述べ、少女像だけでなく「表現の不自由展・その後」を4日から中止すると発表していた。
その後、同じ場所で津田さんの会見が開かれ、「表現の不自由展・その後」を企画した経緯について次のように語った。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース