川見能人
年末年始に牛乳の原料となる生乳が余り、廃棄のおそれが生じた問題で、酪農・乳業の業界団体「Jミルク」は28日、学校が春休みに入る3月の年度末に再び生乳が余る可能性があることを明らかにした。廃棄の回避に向け、消費の拡大や、一時的な出荷抑制などを呼びかけるという。
Jミルクによると、2022年度の生乳の生産量は全国で771万トン(前年度比0・8%増)が見込まれる。一方、消費はオミクロン株による新型コロナの感染拡大で不透明とし、牛乳の約1割を消費する学校給食がなくなる春休みや、季節的に生産が増える4、5月には、需給バランスが崩れるおそれがあるという。
Jミルクの内橋政敏専務理事は28日の会見で、春に廃棄問題が再燃する可能性について「予断を許さない」とし、「春は年末年始より対策期間が長期にわたる。関係者一丸となって(廃棄の回避に)取り組むとともに、給食がない期間は、子どもの体調を整える意味でもぜひ乳製品を活用してほしい」と話した。(川見能人)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル