江戸川夏樹 棚橋咲月
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、国は28日、新たな区域の埋め立てに必要な設計変更を県に代わって承認する異例の「代執行」に踏み切った。地元の市長はどう受け止めたのか。
政府は米軍普天間飛行場返還に向けて、辺野古への移設計画が「唯一の解決策」と繰り返してきた。普天間飛行場がある宜野湾市の松川正則市長は記者団に「返還合意から27年が過ぎ、見通しが立たないような状況でずっときていたので、(工事が進むことに)一部ほっとしている」と話した。
ただ、辺野古の代替施設が米軍に引き渡されるまでには、約12年かかると試算される。宜野湾市は普天間返還後の跡地利用の計画も進めている。松川市長は「これだけ長い間、普天間飛行場を抱えて厳しい環境に置かれてきた。(辺野古が)完成すれば移設は真っ先にやってもらうのが当然のことだと考えている」と語った。
一方で、「国と県がこれだけ対立し、亀裂ができてしまった。予算の面も含めて今後の懸念をしている」と不安も吐露した。
辺野古がある名護市の渡具知武豊市長は記者団に「工事の進捗(しんちょく)が現実なものとなることで、近隣住民から不安の声が上がっている。不安の払拭(ふっしょく)や生活環境をどう守っていくのかを考えていかなければいけない」と述べた。
辺野古移設をめぐっては、国と県の意見が対立し、法廷闘争に発展。県が敗訴し、代執行に至った。渡具知市長は「基地問題に関してはやはり、国と県、そして自治体が話し合いを重ね、解決を図ることが基本だと思う」との考えを示した。(江戸川夏樹、棚橋咲月)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル