秋篠宮(あきしののみや)家の長女眞子(まこ)さまと小室圭(こむろけい)さんの結婚が発表されました。婚約内定から4年。小室さんの母・佳代さんと元婚約者の金銭トラブルを発端に、結婚延期を経てたどり着いた結婚は、さまざまな点で「異例づくし」だといわれます。これまでの女性皇族の結婚とはどのような点が異なるのでしょうか。解説します。
Q 秋篠宮家の長女眞子さまと小室圭さんの結婚が発表されたね。これまでの女性皇族の結婚とくらべて「異例」だというけど、どんな点が違うの?
A 女性皇族の最近の結婚では、五つの儀式が営まれてきた。①結納にあたる「納采(のうさい)の儀」②天皇、皇后両陛下にあいさつする「朝見の儀」③皇居・宮中三殿(さんでん)で拝礼する「賢所(かしこどころ)皇霊殿(こうれいでん)神殿(しんでん)に謁(えっ)するの儀」。結婚式関連では④男性の使者が結婚式の日取りを伝える「告期(こっき)の儀」と⑤結婚式当日に使者が女性皇族を迎えに行く「入第(じゅだい)の儀」がある。今回は戦後初めて、これらの儀式を行わず、結婚式もない。それに眞子さまは「一時金」も辞退する意向だ。
Q 一時金って?
A 皇室を離れる皇族に支給されるお金のことだよ。「皇室経済法」には「皇族であった者としての品位保持の資に充てる」と記され、支給額は内閣総理大臣らでつくる皇室経済会議で決められる。
満額で約1億5千万円となる一時金は、税金から出るものだから批判の矛先になることが多く、結婚を望む眞子さまは数年前から辞退する考えを持っていたとされる。宮内庁は、支給額をごく少なくすることや、いったん支給した一時金を慈善団体などに寄付してもらうことも検討したが、意思を尊重して特例で辞退を受け入れた。これまで結婚した女性皇族で辞退した例はない。
Q なぜ、ここまで異例な対応になったの?
A 婚約内定後、小室さんの母と元婚約者の「金銭トラブル」が報じられ、結婚が延期された。関係者によると、秋篠宮ご夫妻や眞子さまは話し合いを重ね、結婚関連の儀式を行うには「国民の多くが納得し喜んでくれる状況」が必要だという認識で一致した。結局、賛否が分かれたまま、二人の気持ちを尊重して結婚することになったため、儀式などはやめたようだ。
Q 結婚後は、お二人はどこで生活するの?
A 米ニューヨーク州で生活する予定だ。元皇族が結婚後すぐに海外で暮らす例は過去にない。日本より物価や家賃が高いなかで、今後の生活環境をどう整えるのかが注目されている。
Q 警備はどうするの?
A 国内でも海外でも皇室を離れれば将来的に警備はつかなくなる。だからこそ、一時金をセキュリティーの高いマンション購入などに充てる元皇族が多いんだ。(杉浦達朗)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル