福岡市の福岡ペイペイドームで18日夕、矢沢永吉さんのコンサートが開かれた。福岡市内は台風14号の接近に伴って同日夜には地下鉄やバスが運休しており、コンサートが終わるとタクシー乗り場に数十メートルの行列ができていた。
矢沢さんの公式サイトや参加者らによると、コンサートは午後5時に始まり、午後7時過ぎに終わった。終了したころは風雨が強く、雨がっぱを着たファンら数百人が雨でぬれながら帰路を目指した。
千葉県から訪れた内装業の男性(41)は、開催されるかわからないまま、17日に福岡へ到着した。男性によると、18日朝、公式LINEで開催の通知が届いたという。
「もう少し早めにアナウンスしてほしかった」と思いつつ、客席の多くが埋まっていた。「みんなにとって、忘れられないコンサートになりました」と話した。
大分県から訪れた女性(61)によると、矢沢さんはコンサートで「安全に帰ってね」とファンたちに語りかけていたという。「衰えない歌声にしびれた。雨は全然気になりません。コンサートをやってくれてありがとう、という思いしかない。気をつけて帰ります」
矢沢さんの公式サイトでは18日、コンサート開催の理由について説明する文章が掲載された。
「福岡ドームは屋根があり、頑丈に作られた会場であること。雨風が中に入ってこないこと。そして何より『矢沢さん!中止しないでください!』『開催して下さい!』というお声が ものすごい数のメールが届いております」として、「コンサートを決行することに決めました」と書かれていた。
来場を断念したファンに向けては、後日、返金の手続きを案内するとも説明していた。(豊島鉄博)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル