神村正史
北海道の世界自然遺産・知床の最高峰、羅臼岳(1661メートル)の夏山シーズンが盛期を迎えている。昨年まではコロナ禍で登山者は少なかったが、今年は7月2日の山開き以降、多くの人が山頂からの絶景を楽しんでいる。
羅臼岳は、標高約230メートルにある斜里町側の登山口から登る岩尾別温泉コースが人気だ。往復8~10時間ほどの山行で、標高差約1400メートルを登り詰める。中盤までは樹林帯の中を進むが、1100メートル付近からの「大沢」に入ると一気に眺望が開ける。最終盤、重なり合う巨岩を両手も使ってよじ登るとそこがピークだ。
知床半島先端に向かって右手は根室海峡、左手はオホーツク海。青い空と海に知床連山の山並みの緑が映える。その前でポーズを決めて写真を撮り合う姿が見られた。
羅臼岳は「日本百名山」であるとともに「花の百名山」にも選ばれている。コース上では、チングルマやチシマノキンバイソウ、エゾコザクラなどの花が登山者の目を楽しませていた。
知床半島はヒグマが高密度で生息する。登山にはクマ撃退スプレーとクマ鈴は必需品。クマ撃退スプレーは知床自然センターでレンタルできる。コース上にはトイレはなく携帯トイレブースがあるのみ。携帯トイレを持参する必要がある。(神村正史)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル