東京都練馬区の西武池袋線石神井公園駅南口で進む再開発計画をめぐり、東京地裁(品田幸男裁判長)は13日、再開発組合が地権者の1人に対し、3月15日を期限として求めていた土地の明け渡しを、8月まで止める決定を出した。
再開発は「石神井公園駅南口西地区第一種市街地再開発事業」。駅前に地上約100メートルのビルなどを建設する計画で、2024年度に着工予定。南口地区では、公園からの眺望を守る目的で建築物の高さを「原則35メートル以下」と定めていたが、区が20年に緩和した。
地権者らが22年、緩和は違法で、これを前提とする再開発組合の設立認可も違法だと提訴。今年5月16日に判決が予定されている。一方、組合は2月に明け渡しを求め、原告の1人が執行停止を申し立てていた。
地裁は、設立認可をめぐる原告側の主張は「現時点で明らかに合理性を欠くとは言えない」と指摘。「慣れ親しんだ生活環境や地域社会とのつながりを失う損害は、一度失われれば回復が容易ではない」と述べ、判決言い渡しから3カ月、明け渡しを止めるのが相当だと判断した。
原告側代理人の福田健治弁護士は、決定から判決内容を見通すことはできないとしつつ「期待して良いのかなとは思う」と述べた。(田中恭太)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル