箱根駅伝と“同級生”なのが、芦ノ湖の4つの港を結んで運航されている伊豆箱根鉄道の遊覧船。個人がそれぞれで営業していた渡し船が、1920年に「箱根遊船」として統合されたのが始まりとなる。
駅伝の開催時には臨時便が運行。ゴール付近で応援する多くの観客を4隻の遊覧船を使って運ぶ。「港のレストランが選手が来る時には空っぽになるのを見て、駅伝の人気を感じますね」と同社の関係者。「100年と聞いて、駅伝もうちの会社も、地元を支えると同時に、支えられてきたという思いがあります。これからも、その思いをつなげていければ」。最近は、ペットをケージに入れず、一緒に乗船できるサービスを導入するなど、新たな取り組みも行っているという。
一方、箱根登山鉄道は、箱根湯本―強羅間が1919年に開業した。台風19号により宮ノ下―小涌谷間にある蛇骨陸橋の線路が流出するなど、甚大な被害を受け、小田原―箱根湯本間のみ営業。再開は今秋を予定しており、現在は代行バスが走っているが、この日は箱根駅伝による道路規制のため、一時運転を中止した。同社によると、長期間の運休は関東大震災、1948年の台風21号(アイオン台風)に続き、71年ぶり3度目という。
「我々も地元の人も、走っていて当たり前だった。それだけに、なくなって重要性を感じました」と同社関係者。特徴的な地形があっての路線だけに「言い方は変かもしれませんが、災害と『付き合って』今後も箱根を盛り上げていきたい」と話していた。
報知新聞社
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