長年、自身がゲイ(男性同性愛者)であることを家族にも隠してきた。趣味の編み物も「男らしくないと思われないか」。不安で周りの人にも言ってこなかった。「せめて退職後の残りの人生は自分らしく過ごしたい」。そう思って編み物への思いをつづった文章を3年前、ツイッターに投稿した。返ってきた反応は思わぬものだった。
この男性は「Coda(コーダ)」さん。年齢や本名は公表していないが、1960年代生まれ、仙台育ちのアラ還(アラウンド還暦)という。
中学2年の時、男性が好きだと気づいた。初恋の相手は同じクラスの仲良し。「もっと一緒にいたい」と授業中も、つい姿を目で追った。
偏見はいまよりもまだ強い時代だった。親にも友達にも打ち明けられない。情報を求めて本屋を訪ねた。すがるような思いで辞書を開くと「異常性欲の一つ」とあった。「僕って異常なのか」。頭をがんと殴られたような衝撃だった。
大好きな編み物「怖くなった」
母親は編み物教室の先生で…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル