子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を防ぐHPVワクチン。公費でうてる定期接種となっているが、国が2013年6月に対象者に個別にお知らせを送る「積極的勧奨」を差し控えるように自治体に通知してから7年が過ぎた。接種率は70%から1%未満に落ち込んでいる。自民党の「HPVワクチンの積極的勧奨再開を目指す議員連盟」(会長=細田博之衆議院議員)は7月21日、加藤勝信厚労相に、積極的勧奨の早期再開などを求める要望書を提出した。【BuzzFeed Japan Medical/岩永直子】
要望書では「新型コロナウイルスの犠牲者と比較しても、子宮頸がんによって毎年約3倍にあたる約3000人もの尊い命が奪われ続けており、罹患者、死者共に減少傾向にある諸外国とは逆に、みすみすHPVから命を守る権利を手放していると酷評されても仕方ありません」と訴え、8項目の実現を求めている。
8項目を要望 積極的勧奨の再開、接種を逸した対象者へのキャッチアップ
要望書で求めたのは以下の8項目。 1. 積極的勧奨の早期再開
2. 新型コロナの影響により接種を逸した対象者へのキャッチアップ(追いつき接種)
3. 情報提供パンフレットの早急な改定と対象者への個別送付の徹底
4. 接種を逃した年代への接種機会の提供
5. 9価HPVワクチンの定期接種化の実現
6. 男性への接種と定期接種化への検討
7. 接種後の事象に対する迅速かつ丁寧な対応の強化
8. 国際機関からの情報や世界の国々での接種の状況を広く国民と共有し、対象者が納得して接種できるための情報発信と周知徹底 要望書を手渡す時に、BuzzFeed Japan Medicalは加藤厚労相に「積極的勧奨再開を検討しないのですか?」と問いかけたが、厚労相はうっすらと笑みを浮かべるだけで何も答えなかった。 提出後、記者団のぶら下がり取材に応じた三原議員は、「私が議員になった十数年前から加藤大臣もこのワクチンのことに関してはずっと見続けていた経緯があり、私たちの言いたいことは120%お分かりだと思う。大事さはわかっている中で、大臣として当然色々なご意見があることは現実としてあるわけです」と語った。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース