GIFクリエーター・イラストレーター 伊豆見香苗さん(26)=那覇市出身
「GIF」(ジフ)と呼ばれる静止画をつなぎ合わせた“動く画像”を駆使する若手注目のクリエーター。ループ再生によって命を吹き込まれた独特で愛嬌(あいきょう)あるキャラクターたちは、無料電話アプリLINEのスタンプを中心に幅広い世代から「キモかわいい」と評判だ。近年では大手企業も広告媒体として取り入れるなど注目されるGIFは「スマートフォンに生きる身近な存在」と親しみを込めている。
モデルは愛犬
代表的なキャラクターの「えっびっ」は2018年LINE動くスタンプ部門の月間ダウンロード数1位となり、MVPを受賞。2本足で立つエビが左右に揺れながらチアリーダーのように応援するほほ笑ましいアニメだが、手にするポンポンは実は天ぷら粉というシニカルな設定。「自虐的なのに、一生懸命な姿が良かったのかも」と笑う。
アニメ好きだった幼少期。物心ついた頃からインターネットを通して作品を投稿するなど、将来は絵を描く仕事を志望した。母からは「映像も身につけた方が武器になる」と勧められ、美術大学で映像制作の技術を学んだ。
卒業後は映像制作会社へ就職したが、事務仕事中心の日々に「早く自分で筆が執りたい」と退職し、女性のイラストを中心に制作活動を始めた。
「方向性はこれでいいのだろうか」と不安を抱きながら模索する中、遊び心で書いたイラストをSNSに投稿したところ、「かわいい。スタンプにしてほしい」と反応があった。モデルとなったのは実家で飼っていた犬。「フローリングの床を滑りながら全力で駆け寄ってくる姿が面白かった」
GIFを用いた表現作品は日本最大級のGIFアニメコンテスト「the GIFs2018」で「キャラクターの絶妙な表情と独特の世界観」と評価され、応募総数約1700点の中から6作品に与えられる優秀賞を獲得した。
長編アニメ目標
受賞を期にスタンプ制作を本格化。魚やギョーザ、エビなどユニークなキャラクターたちを生み出すごとにSNSで拡散され、フォロワー数も3万5千人を超えるが「いまだに何がバズる(話題となる)か、つかめていない」と冷静だ。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース