夏の風物詩、花火大会がいま消滅の危機にある。
今年は警備費の増加などで中止が相次ぎ、めざましテレビが調べただけでも全国22カ所で中止や延期になっていることがわかった。
そんな中、開催を決意したのが、毎年7月に大阪天満宮で行われる日本三大祭りの1つである「天神祭」の奉納花火だ。毎年130万人以上が訪れる人気の花火も赤字が膨らみ、警備費の問題は死活問題となっている。
大阪天満宮 寺井種治宮司:
費用が年々増加をしてですね。運営というのは、かなり厳しいところがあります
そこでめざましテレビの「ココ調」班は、花火大会の運営に携わる人に密着し、警備がどれほど大変なのかを調査した。
増加する警備費にクラウドファンディングも
王朝風俗の豪華な衣装をまとった約3000人の大行列が大阪市内を練り歩く「陸渡御(りくとぎょ)」や市内を流れる大川を約100隻の船が行き交う伝統神事「船渡御(ふなとぎょ)」を見るため、多くの見物客が訪れる中、花火があがる5時間前の午後2時30分から、会場周辺には早くも多くの警備員の姿があった。
一体どれくらいの人数がいるのか?
新大阪警備 尾崎建爾代表取締役社長:
全域で830名態勢を敷いています
2カ所で上がる花火の会場を中心に、駅周辺や天満宮周辺など、予想される観客の数に合わせて人数を配置。
そんな警備員たちにはある特徴があった。
藤井弘輝アナウンサー:
よく見ると、制服の違うさまざまな警備員がいますね。水色の警備服と、濃い色の警備服を着た人が見えます
その理由は?
新大阪警備 尾崎建爾代表取締役社長:
今日は(警備会社が)60社くらい(入っている)。どうしてもたくさんの会社さんに入ってもらわないと、その数(830人)になかなか達しない。
以前は1社で多くの警備員を稼働させていたが、人手不足の今は何社にもお願いしなければ数が揃わないのだという。
では、今回の警備830人にかかる費用はどれほどなのか?
大阪天満宮 寺井種治宮司:
(警備)経費は約4000万円。全体の経費の4分の1が花火の警備、天神祭の警備にかかっているのが現状です。
天神祭では、10年前に比べて警備員の数も金額も倍以上に増加し、運営を圧迫。
大阪天満宮 寺井種治宮司:
(お金が)入ってくるところっていうのは、ご寄付とお賽銭ぐらいで限られていますのでね。なかなか現状は厳しいですね
現在、行政からの助成金はゼロ。天神祭の花火は、花火のレプリカを謝礼とした協賛金や寄付金などで主に運営している。
その寄付金も、地元の町内会長たちが1軒1軒、地道にお金を集めて回ってくれているのだという。
若松町 秋田智会長:
(家を)回っていくのはしんどいですけども。ずっと続けていなかないと、みんな楽しみにしていますからね
そこで、何とか収入を増やすべく考えたのが…
大阪天満宮 大橋弘邦権禰宜:
インターネットで資金を募るクラウドファンディングに挑戦しております
寄付をしてくれた人にはオリジナルの手ぬぐいなどを送り、300万円を集める目標だが、7月25日の花火大会当日の支援総額は157万3000円。
藤井弘輝アナウンサー:
およそ半分ということですけれども…
大阪天満宮 大橋弘邦権禰宜:
非常に苦戦しております
クラウドファンディングの仕組みから目標金額に達しなければ、資金は1円も得られないのだ。
藤井弘輝アナウンサー:
室内は涼しいんですけどね。外よりも汗が出てるっていう…
神職も冷や汗を流し苦戦していたが、7月30日午前5時には346万3000円に到達し、無事に目標金額を達成した。
さらに経費削減のため、警備員とともに大阪天満宮のスタッフたちも大きな声を出して警備を担当。
街のゴミを回収するボランティアを約500人募り、経費を減らす工夫もしている。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース