コロナ禍で宿泊客が激減した全国のゲストハウスをもり立てようと、兵庫県姫路市のゲストハウスのオーナーが人気の「御朱印帳」ならぬ「御宿印(ごしゅくいん)帳」を製作して多くのゲストハウスに泊まってもらうプロジェクトを思いついた。各地のゲストハウスの賛同を得て、クラウドファンディングで製作費などの資金を募っている。
発案者は「シロノシタゲストハウス 姫路のお宿」(同市国府寺町)のオーナー城下(しろした)智久さん(49)。
背景には、コロナ禍でのゲストハウスの苦境がある。城下さんのゲストハウスも10月は31日間のうち、宿泊客があったのは9日間だけだった。「GO TO トラベル」も利用できるが、ゲストハウスの宿泊費は元々安価なため、高級旅館・ホテルのように割引額が大きくなって宿泊者が増えるような恩恵は、それほど受けていないという。
そこで「御宿印帳」を作ってゲストハウスを多くの人に知ってもらい、従来の客だけでなく、新たな客を掘り起こすことを思いついた。「御宿印帳」の考え方は、寺社の御朱印を集める御朱印帳と同じ。プロジェクトに参加するゲストハウスに宿泊してそれぞれの「御宿印」やサインを集める帳面で、来年4月1日からスタートさせる。
50軒の参加を目指してSNSで呼びかけたところ、北海道から沖縄までの50軒がプロジェクトへの参加を表明した。ウェブサイト(https://goshukuincho.com/)で確認できる。
城下さんは参加するゲストハウスに、「御宿印帳」の利用客への特典をお願いしている。城下さんのゲストハウスは500ミリリットルのお茶のペットボトル1本をプレゼントする。コップ1杯の地酒やレンタル自転車1日無料の特典を用意しているところもある。
ネット上で資金を集めるクラウドファンディングは、ウェブサイト「CAMPFIRE(キャンプファイア)」上のページ(https://camp-fire.jp/projects/view/346904)で1月23日まで実施している。金額によって御宿印帳をはじめとした返礼品がある。60万円の目標額に達しなくてもプロジェクトは実施する。(滝川直広)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル