新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が39県で解除されて初の週末を迎えた16日、特定警戒都道府県のうち関東で唯一解除された茨城県でも多くの店舗が営業を再開した。
千葉県と県境を接する取手市にあるボウリング場「フジ取手ボウル」では、自粛疲れを吹き飛ばすかのようにピンがはじける音が場内に響き渡った。市内に住む常連の女性客は「本当に営業してくれてうれしい。腕がなまっちゃったからこれから通わなきゃ」と声を弾ませた。
“コロナショック”以前の光景からは様変わりした。入店時のマスク着用を呼び掛けており、客のほとんどはマスク姿のままプレー。1組につき2レーン分を割り当てソーシャルディスタンス(社会的距離)を保持。隣の席との間には仕切りが設けられた。開店前には消毒作業を徹底。ボールの指穴も消毒した。客のゲーム終了後は、ボールがレーンから戻ってくる場所「ボールリターン」に置いたまま帰ってもらい、従業員がその都度清掃。できる限りの対策を尽くし“パーフェクト”を目指している。
フジ取手ボウルは県の休業要請を受け先月22日から臨時休業。政府の宣言解除から一夜明けた今月15日に23日ぶりに営業を再開させた。横山進一支配人によると、16日の客入りは「普段の土日より8割ほど少ない」。客足が戻るのは時間がかかるとみている。
苦しい胸中をのぞかせたのは会員のことについて。県境という立地から会員の半数以上は千葉県民という。千葉はまだ政府が緊急事態宣言を解いていないことから「(千葉側の県境の)柏から行ってもいいですか?」などと問い合わせが寄せられている。横山氏は「“今はまだ各自治体の要請に従ってほしい”と伝えている」と説明。「年配の方もいるので、引き続き警戒を緩めるわけにはいかない」と力を込めた。人々の行動変容に合わせて、模索しながらの営業が当面続く。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース