将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が5日、大阪市の関西将棋会館で指された第78期名人戦順位戦C級1組6回戦で青島未来五段(24)を95手で破り、開幕から無傷の6連勝とした。各10局を戦う順位戦C級1組は今期36人が参加し、上位2人がB級2組へ昇級する。青島は藤井戦を迎えるまで4勝1敗。今期の昇級のヤマ場で若手実力者に完勝した。
終盤に入り、容赦なく相手を追いつめた。威風堂々…。次々に鋭い攻めを繰り出していった藤井は「序盤は少し自信がなかったが、中盤からペースを握れた」と振り返った。
順位戦は最上位のA級からC級2組までの5クラスに分かれて戦い、A級の優勝者が名人挑戦者となる。昇級には9勝1敗、10戦全勝の好成績が必要になる。谷川浩司九段が持つ名人獲得の史上最年少記録は21歳2カ月。これを更新するには、今後の順位戦をすべて1期で昇級する必要がある。今期の大きなヤマ場を乗り越え、残り4局は昇級戦線に絡まない棋士との対戦となる。
さらに屋敷伸之九段が持つ最年少タイトル挑戦記録(17歳10カ月)、獲得(18歳6カ月)の更新の期待も高まる。現在、藤井は第69期王将戦挑戦者決定リーグで通算成績3勝1敗。4勝1敗で暫定単独トップに立つ広瀬章人竜王を追っている。同リーグで藤井は11月14日に久保利明九段、同19日の最終戦で広瀬と対戦する。「周りの結果は気にせずに、自分の対局に全力を尽くしたい」。高校生プロが初タイトル挑戦へ弾みをつけた。【松浦隆司】
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