新型コロナウイルス感染拡大防止の対策として4月8日から休業し、食品売り場のみ営業してきた大阪・梅田の阪神百貨店梅田本店(大阪市北区)が21日、全館再開した。
【写真】再開された阪神百貨店はフェイスシールド、サーモグラフィー、消毒液を設置しお客様を出迎えた
午前11時の開店前には係員の指導で「密」を避けた列が出来た。列の先頭には阪神ファン歴30年以上の自営業の男性(55)が並んだ。お目当ては同店8階にあるタイガースショップ。男性は応援マフラータオルを首にかけ、開店を待った。 「トラグッズに囲まれた売り場でタイガースの雰囲気を少しでも味わいたかった」。タイガースショップには1000アイテム以上のグッズがそろい、トラファンの第2の聖地とも言われている。約1カ月半ぶりの営業再開となった。
堺市から来店した男性会社員(57)は矢野燿大監督、梅野隆太郎捕手ら選手の名前と背番号が記入された2020年バージョンの「湯飲み」を購入した。「ここ10年、開幕前にその年の湯飲みを買うのが定番。コロナの影響でショップが閉じてしまったので、きょう再開すると聞いて来た。これでやっと僕の“開幕”の準備が整った」。
男性は大阪市内のバス会社に勤務するバスの運転手だが「いまはステイホームですわ」。2カ月以上、ハンドルを握っていない。新型コロナウイルスの感染拡大で、観光業は大きな打撃を受けた。男性は「先行きがまったく見えず、このままだと、会社の存続が危うい状況」と不安を口にした。湯飲みを片手にお茶の間で、阪神を応援する「日常」も戻っていないが、男性は、やっと定番グッズを手に入れることができた。「ささやかなことかもしれないけど、僕にとっては前進です」。
新型コロナウイルスの感染拡大のため、プロ野球の開幕は延期。現在は、6月中旬以降の開幕を目指している。タイガースは05年以来のリーグ優勝、85年以来の日本一に向け、着々と準備を進めている。大山のレプリカユニホームを購入した兵庫県尼崎市の男性会社員(53)は矢野阪神2年目に「スタートダッシュを決めてほしい」とエールを送った。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース