大分県津久見市のJR津久見駅構内で昨年12月、視覚障害者の女性が列車にはねられて死亡した事故を受け、駅無人化で障害者が移動の自由を制限されているとしてJR九州に損害賠償を求めている原告らが9日、現場となった津久見駅構内を独自調査した。同駅は昨年3月から、午後3時以降に駅員がいない「時間帯無人駅」になっていた。
女性は昨年12月15日午後5時50分ごろ、津久見駅の線路上で特急列車にはねられ、死亡した。運転士は、女性が「線路からホームに上がろうとしていた」と話したという。駅員は不在の時間帯だった。
この日の調査には、視覚障害者や原告、弁護団ら15人が参加。亡くなった女性に黙禱(もくとう)し、女性がホームに上がろうとしていた現場やホームでのカメラの設置状況、ホームに非常ボタンがないことを調べた。
原告弁護団長の徳田靖之弁護士は調査後、取材に応じ、「ホームから転落した後に、上れる所を探していてはねられた可能性がある。駅員がいたら救助したり、列車に伝えたりすることができ、このような痛ましい事故は防げたのではなかろうか」と語った。
JR九州は2021年12月、22年3月12日からの駅体制の見直しをHPで公表した。今回事故があった津久見駅は、「きっぷの販売窓口営業時間の短縮」として、午後3時以降は駅員が不在になる「時間帯無人駅」となっていた。
JR九州によると、昨年12月現在、県内で29駅、JR九州管内で155駅が、正午または午後3時以降は駅員が不在になっているという。
「障害者と健常者が生きやすい社会に」
訴訟では、県内の車いす利用…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル