2020年4月18日、「日本感染症学会」の緊急シンポジウムが開かれました。中国や欧米のような感染爆発を起こすのか。まさに瀬戸際に立つ日本。「新型コロナウイルス」について、最新の報告を行うことになりました。
「『日本感染症学会特別企画COVID‐19シンポジウム私たちの経験と英知を結集して』に、お忙しい中ご参加ありがとうございます。ここは600人ほど入る会場だが演者と司会の先生30人くらいしかいません。無観客で開催しています。しかし、恐らくカメラを通してたくさんの人が参加していると信じています。」(冒頭あいさつに立った館田一博理事長)
シンポジウムは、密閉、密集、密接の三密対策のため、インターネットを使ってLIVE配信されました。治療や研究、感染拡大を食い止めるため、国の対策チームで指揮にあたる医師や研究者たちからの貴重な報告です。
「これまでの個人的な印象は特定の薬がとてもよく効くという印象はない。ただここに来るまでに強い肺炎になっている場合が多かったので、投与のタイミングが重要でもっと早く投与していれば効いたかもしれないという思いもある。」(防衛医科大学校 川名明彦医師)
「今私たちが医療崩壊防ぐために考えなくてはいけないことは、重症化する肺炎をいかに重症化する前にいかに治すかに全力を注がなくてはならない。」(愛知医科大学 森島恒雄医師)
感染ルートを辿っている国の対策チームのメンバーも刻一刻と変わる現状を報告しました。それは、体の中にあるウイルスの量や場所が、世代によって異なることがわかってきたとの調査結果でした。
「当初、北海道の流行が見えたときに我々は若年層クラスターという言葉を使って、あたかも若い人だけがこのウイルスを広げているという印象を与えてしまったのは実は間違いで、むしろ年齢がウイルス量にリンクしているというデータが出ている。高齢者の場合は、上気道にウイルス量が高いことを考えると高齢者はより感染性が高いと考えるべき。今後起こること、いったんは急速に感染拡大を収束の方向に向かわせたとしてもこのウイルスと長期にわたって向き合わないといけない。」(東北大学 押谷仁医師)
まだ、分からないことが多い新型コロナウイルス。この厄介な敵との闘いはこの先、いつまで続くのか…。例え、それがどれほど長いトンネルであっても、いつか必ず、終わりが見える時が来ることを信じるしかありません。
約100年前、感染病の歴史を記録した「神戸市伝染病史」。名前も残されていない著者はこうしめくくっています。
『人類には先人たちの残してくれた貴い経験がある。現代の優れた先覚者の努力によって開発された近世文化の力を以って、あらゆる伝染病を予防し、制御する方法を開明することができる』
(4月26日放送 MBSテレビ『映像’20』「見えない敵~新型コロナウイルスとの闘い~」より)
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース