加藤裕則
国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防の排水門開門をめぐり、佐賀、福岡、熊本3県の漁業団体の代表らが14日、農林水産省で坂本哲志農水相と面会し、「開門しないことを前提に有明海再生を図る」とした農水省の提案を受け入れることを伝えた。
諫早湾干拓事業をめぐり、昨年3月に最高裁が、開門調査を求める福岡高裁判決の強制執行力をなくす決定を出した。これを受け、国は非開門での支援策を3県の漁業団体に提案していた。
面会したのは、佐賀県有明海漁協の西久保敏組合長、福岡有明海漁連の西田晴征会長、熊本県漁連の藤森隆美会長。受け入れを伝えられた坂本農水相は歓迎の意向を示し、「感謝したい。有明海再生に全力で取り組む。事実上のスタートだ」と述べた。
面会後、報道陣に対し西久保組合長は提案を受け入れた理由として最高裁の判断を挙げ、「どうしようもなかです。(ノリの)不作が続き、有明海の再生を加速してほしい」と語った。今後、農水省が検討してきた100億円の振興基金を活用して事業を進めていく意向も示した。(加藤裕則)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル