能登半島地震の直後から石川県輪島市で続いてきた、地元の料理人たちの炊き出しが31日、終了する。被災者は「生活を支えてもらった」と、感謝を口にした。
30日の昼前。輪島工房長屋に行列ができた。槌谷(つちや)義雄さん(82)は「すっかり常連。本当に助けてもらった」。
輪島朝市近くの自宅は全焼し、仮設住宅に1人で暮らす。朝と夜は、パンやおにぎりなど簡単な食事で済ませることが多い。「部屋にいると気分も落ち込む。温かくておいしい料理を毎日、楽しみにしていた」という。
炊き出しは、市内でフランス料理店を営む池端隼也さん(44)らが1月2日に始めた。水道の復旧が進み、再開できる店も出てきたことから、年度末に終えると決めた。
ただ、池端さんは「まだ困っている人がいるので、どこかで復活させたい」と話す。合わせて行ってきた避難所への食事の提供は続ける。自身は営業再開のめどが立っていないが、同じ境遇の料理人と共同で店を始めることも構想している。「良いコミュニティーができた。これを次につなげたい」(藤谷和広)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル