西晃奈
女性のスカート内を盗撮しようとした男をタックルで取り押さえたとして、大阪府警南署が今月20日、府内の男子高校生に感謝状を贈った。中学時代から続けているラグビーの技術が、盗撮容疑者の現行犯逮捕につながった。
府立大阪わかば高校3年の勝野龍乃助さん(17)は今月12日、アルバイト先のドン・キホーテ道頓堀店(大阪市中央区)で、周囲を見回しながら1階を歩き回る男に目をとめた。2階へ続く階段の上から注視していると、階段を上る若い女性の後ろに男がぴたりと付け、スマホをスカート内に差し込んだ。
勝野さんが声をかけると、男は「もうええから」と言い、店外へダッシュ。無意識に身体が動き、店の前で男にタックルし、暴れる男の頭を抱えて寝技に持ち込んだ。スマホ内の証拠を消させないよう、腕もつかんだ。
間もなく他の店員や警察官が駆けつけ、30代の男は性的姿態撮影等処罰法違反の疑いで現行犯逮捕となった。
勝野さんは中学1年からラグビーを始め、今も地元のクラブで練習を続ける。寝技は柔道の授業で習っていた。将来の夢は警察官。感謝状を受け取り、「悲しい思いをする被害者が、これ以上出ないようにできたことがうれしい」と話した。
南署によると、管内の大阪市中央区南部では盗撮の被害が多発し、今年は10月19日までに65件検挙した。前年同期に比べて28件増えており、特定の商業施設や駅のエスカレーターでは、ほぼ毎日のように被害が出ているという。
高校生のお手柄に、南署の林源太副署長は「いま全国的に力を入れている、子どもと女性の犯罪被害防止に大きく貢献してくれた」と話した。(西晃奈)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル