駐車場の一角が、高校の女子バレーボール部の練習場所になっていた。駐車場のフェンスをネットにみたてた守備練習などで汗を流す部員たち。
千葉県や東京都の伊豆諸島などに大きな被害をもたらした台風15号から、1カ月が経った。伊豆諸島最大の大島にある東京都立大島高校の体育館は、屋根の一部が吹き飛ぶなど被害にあい、今も使用できない。
「足りないものを数えたくない」。部長の菊地四季さん(2年)は、真っすぐ前をみすえる。「みんなで協力しあう大島ならではの良さなど、今あるものに目を向けたい。部活動を支えてくださる方々に感謝しています」
現在、部員の保護者たちが中心となり、近所の小中学校の体育館の空き時間を確保し、部員たちの練習を支えている。
「小学生の頃から、春高バレー(バレーボールの全日本高校選手権の通称)に出るのが夢でした」と目を輝かせる菊地さん。だが昨年は菊地さんを含めて部員は2人だけで、他校と合同チームで試合に出ていた。
今年は1年生の勧誘に力を入れ、ようやく部員が10人に。念願だった大島高校の単独チームで大会に向けた練習に励んでいた矢先、台風15号が大島を襲った。
駐車場の片隅では、バスケットボール部員たちも練習に励んでいた。同校の金子雄先生は「生徒たちの頑張りをぜひ知って欲しい」と力を込めて語った。(伊藤恵里奈)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル