成沢解語
沖縄県・宮古島周辺で陸上自衛隊の隊員10人が乗ったヘリコプターが6日に消息を絶った事故で、防衛省がヘリの機影がレーダーから消失した地点を中心とする海域を掃海艇で調べたところ、海底に約60カ所の突起が見つかったことがわかった。水深は約100~250メートルだった。同省は海底に沈んだ機体の可能性があるとみて確認作業を進める。
防衛省は、事故翌日の7日午後から掃海艇「ししじま」を出動させ、ヘリが消息を絶った周辺の水中捜索を開始。音波で海中を探査するソナーで海底を調べる作業を進めた結果、約60カ所の大小様々な突起を発見したという。水中を見渡せるカメラ付きの水中無人機を9日に投入し、突起を一つずつ調べたところ、同日夕までに確認した約10カ所の突起は、いずれも岩やサンゴ礁だったという。引き続き、残る突起の確認を進める。
掃海艇と同様の性能のソナーを備えた潜水艦救難艦「ちはや」も、9日朝に現場海域に到着した。掃海艇が海底のポイントを絞って捜索するのに対し、潜水艦救難艦は海底を面で捉えて捜索できる。浅瀬の航行は難しく、探査にも時間がかかるが、海底をローラーをかけるように捜索することが可能だという。
同艦には深海まで潜って隊員を救出する「飽和潜水」が可能なダイバーも乗り込んでいる。飽和潜水は、あらかじめ加圧した環境にダイバーを慣らして高圧の深海に潜水させる手法で、水深100メートル以上の潜水では必要だという。機体の位置が特定されれば、隊員の確認のため飽和潜水にあたる方針だ。(成沢解語)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル