1971年11月に起きた渋谷暴動事件で、警察官を殺害したとして殺人罪などに問われた過激派「中核派」の構成員・大坂正明被告(74)の判決が22日、東京地裁で言い渡される。被告は事件の46年後に逮捕・起訴された。検察側が無期懲役を求刑し、弁護側が無罪を訴えた公判では、半世紀前の事件を裁く難しさも浮き彫りになった。
高齢の「証人」が次々…そのわけは
「戦争体験みたいなもの。大筋は覚えている」「記憶が薄れてしまった」「覚えていない」――。
昨年10月に始まった公判では、デモに参加した元学生や捜査を担当した元検察官らが次々と出廷し、「半世紀前の記憶」をめぐる証人尋問が続いた。事件当時は未成年だった人も含め、関係者はいずれも高齢になっていた。車いすの人もいれば、健康上の理由で期日が取り消されることもあった。
なぜこんな審理になったのか。
大坂被告は警察官殺害容疑で長年指名手配されていたが、殺害に関わったと直接示す物証はない。だが、殺害などで有罪になった元学生4人が当時の検察官に「被告が(死亡した)警察官を殴っているのを見た」などと述べた調書がある。
これを有罪立証の柱にしよう…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル