大学入試センター試験に代わるテストとして令和2(2020)年度から導入される大学入学共通テストに関連し、英語検定試験「TOEIC」を運営する国際ビジネスコミュニケーション協会は2日、テストへのTOEICの参加を取り下げると発表。近畿地方の関係者からは「発表が早くてよかった」「影響はあまりない」と冷静な受け止めが目立った。
「共通テストを受けるのは今の高校2年生から。早い段階での発表でよかった」と話すのは、滋賀県立米原高校(同県米原市)で英語を教える堀尾美央教諭。
同校では普通科英語コースの3年生全員が毎年TOEICを受験しているため、「共通テストでも活用できるなら生徒にとっていいね」と他の教員と話していたという。とはいえ、「大学入試のためにTOEICを受けているわけではないので、大きな影響はなさそう」とみる。
また、大阪市と名古屋市にある受験専門塾「ECC受験館」の責任者は「そもそもTOEICに出てくる英語はビジネスの場面でのやりとりが主なので、受験生にはシーンをイメージしにくいものが多い。英検などのレベルよりも低いスコアが出てしまう生徒もいるので、高校生は敬遠するのではないか」と指摘。
その上で「大学受験を目指す当塾の生徒では、日常の英語が主体の英検やTEAP、GTECを選ぶ人が多く、TOEICを目指す人は少ないので、指導上の影響はあまりない」と話した。
一方、センター試験を入試に活用している関西の私立大の入試責任者からは「TOEICの撤退の理由がはっきり分からないが、理由によっては他の資格試験も同じ問題を抱えていて、撤退が相次ぐ可能性がないわけではない」との懸念の声も。「今後の動きを見守り、あらゆる事態を想定して準備しなければならない」と話していた。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース