森直由 前林以恵 天野剛志2024年2月22日 21時12分 ふるさと納税の返礼品の温泉利用券でルール違反があったとして、兵庫県洲本市が制度から除外された問題で、市議会の調査特別委員会(百条委員会)は22日、6回目の会合を開いた。前市長の竹内通弘氏が証人尋問に応じ、違反について「認知していなかった」などと繰り返した。 ふるさと納税では返礼品の調達費を寄付額の3割以下とするルールがあるが、2022年4月に国が同市の違反を認定。竹内氏は直前の3月までの3期12年間にわたり、市長を務めていた。 この日、竹内氏は違反に至った経緯などについて「認知していなかった」「指示していない」などと釈明。「20年に多額の寄付があり、部長会で『ちゃんとやっているのか』と聞いたら『守ってやっています』と報告を受け、違反はないと認識していた」と強調し、「市民の方々の信頼を損ない、どうおわびしたらいいのか。罪悪感にさいなまれています」と謝罪した。 会合の終了後、委員長の木戸隆一郎市議は記者会見で「竹内氏が責任を感じていることは分かった。今後は現市長や元課長の証人尋問をしたい」と話した。 次回の百条委は3月12日で、証人尋問はせずに今後の方針について協議する。(森直由、前林以恵、天野剛志) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
上げ馬神事、2メートルの土壁無くして開催 多度大社が改善策を発表
三重県桑名市の多度大社で毎年5月に催されている県無形民俗文化財の上げ馬神事が「動物虐待ではないか」と指摘されている問題で、多度大社と氏子らでつくる総代会は22日、土壁をなくすなど馬の負担を減らす対策を講じた上で、今年も5月4、5日に開催すると発表した。 神事は、若者を乗せた馬が急坂を駆け上がり、高さ約2メートルの土壁を乗り越えられるかどうかで農作物の吉兆を占う。 改善策は、土壁は取り壊し、急坂はなだらかにする▽坂は馬の脚に負担にならないように土壌改良して砂を敷く▽事故に備え、獣医師と馬運車を待機させる▽馬への暴力や威嚇は一切行わないよう指導し、ルールを守れない場合は馬場への立ち入りと馬の取り扱いを禁止する――など。 また、有識者らの提言を受け… この記事は有料記事です。残り723文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「死亡前日、娘と妻が半日2人きり」父親が聴取で説明 4歳女児殺害
遠藤美波 長妻昭明 増山祐史2024年2月23日 5時00分 東京都台東区の自宅マンションで当時4歳の女児が薬品を飲まされて殺害された事件で、逮捕された両親のうち父親が警視庁に、「死亡の前日、娘と妻は半日ほど自宅で2人きりだった」という内容の説明をしたことが捜査関係者への取材でわかった。逮捕時に父親は否認、母親は黙秘し、警視庁は経緯を調べる。 捜査1課によると、父親の細谷健一(43)と母親の志保(37)の両容疑者は共謀して昨年3月12日ごろ~13日、自宅で次女の美輝(よしき)ちゃんに抗精神病薬「オランザピン」と不凍液「エチレングリコール」を摂取させ、殺害した疑いがある。 捜査関係者によると、健一容疑者は日曜日だった同月12日について、「長男と長女を連れて午前9時ごろに後楽園に外出し、午後8時ごろに帰宅した」と逮捕前の任意聴取に説明した。警視庁も確認したという。 関係者によると、健一容疑者は、志保容疑者と美輝ちゃんとは夕方に合流する予定だったが、志保容疑者が「寝ていて連れて行くのは難しい」と言い、合流しなかったと周囲に話したという。 捜査関係者によると、健一容疑者は翌13日、学校への送迎のため長男と長女を連れて午前7時半ごろに外出。志保容疑者から連絡を受けたとして午前9時ごろ、「娘が息をしていない」と119番通報していた。 健一容疑者は任意聴取に、13日午前6時ごろ、床に横たわった美輝ちゃんが呼吸しているのを確認し、同6時半ごろに「薄目を開けていたので脈を確認した」と供述。外出直前、長女が「美輝ちゃんの口元が黄色い」と健一容疑者に指摘したとも説明したという。警視庁は、美輝ちゃんは12日以降に不凍液などを飲まされたとみている。 救急隊が到着した際、美輝ちゃんはリビングで上半身裸のおむつ姿で倒れていた。背中には死後に皮膚が変色する「死斑」があり、警視庁は死亡後、一定時間放置されたとみている。(遠藤美波、長妻昭明、増山祐史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【全文】天皇陛下の記者会見 能登半島地震に「深く心を痛め」
【動画】2月23日に64歳の誕生日を迎えるのに先立ち、記者会見に臨む天皇陛下=宮内庁提供 天皇陛下が64歳の誕生日を迎えるにあたり、21日に皇居・宮殿で臨んだ記者会見の全文は次の通り。 【この1年、明るい話題があった一方、新年には能登半島地震が発生し、多くの方が亡くなり、避難生活を余儀なくされています。この1年を振り返って、印象に残る出来事をお聞かせください】 年明けから間もない今年の元日の夕方に発生した能登半島地震は、お正月に家族で集まっていた多くの家庭を襲い、大勢の方が亡くなり、また、けがをされたり、住まいを無くされたりしました。 今回の地震に見舞われた能登地域は、雅子も私も、それぞれ学生時代に訪れて、思い出深く思ってきた地域であるとともに、昨年10月に、二人でそろって金沢市を訪問し、県民の皆さんに温かく迎えていただいたことが特に心に残っており、その石川県において、多くの方が犠牲となられ、今なお安否が不明の方がいらっしゃることや、避難を余儀なくされている方が多いことに深く心を痛めております。亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、ご遺族と被災された方々に心からお見舞いをお伝えいたします。 冬の寒さが続く中、また特に… この記事は有料記事です。残り11648文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
天皇陛下64歳に 被災地に「深く心を痛め」 家族への思いも語る
有料記事 多田晃子 後藤遼太2024年2月23日 0時00分 64歳の誕生日を前に、歌会始の儀で使う輪島塗の懐紙箱を見ながら皇后さまと言葉を交わす天皇陛下=宮内庁提供 天皇陛下は23日、64歳の誕生日を迎えた。これに先立ち皇居・宮殿で記者会見に臨んだ。能登半島地震の犠牲者への哀悼の意や被災者へのお見舞いを述べ、被災地訪問の意向を示した。 陛下は、多くの人が犠牲となり、今なお安否不明者がいることなどに「深く心を痛めております」とした。長期化する避難生活を案じ、「多くの人々からの支援を得て、復旧・復興が順調に進んでいくことを心から願っています」と述べた。 被災者の気持ちや被災自治体の考えを聞きながら、訪問が可能になれば皇后さまとともにお見舞いしたい意向も示した。 昨年6月、全国植樹祭で訪れ… この記事は有料記事です。残り1732文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【要旨】天皇陛下の記者会見 能登半島地震に「深く心を痛め」
64歳の誕生日に先立ち、記者会見に臨む天皇陛下=宮内庁提供 天皇陛下が64歳の誕生日を迎えるにあたり、21日に皇居・宮殿で臨んだ記者会見の主な内容は次の通り。 【この1年を振り返り、印象に残る出来事は】 年明けから間もない今年の元日の夕方に発生した能登半島地震は、多くの家庭を襲い、大勢の方が亡くなり、また、けがをされたり、住まいを無くされたりしました。 多くの方が犠牲となられ、今… この記事は有料記事です。残り3207文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
再発防止マニュアルに不備 東北新幹線の架線トラブルで JR東
東北新幹線大宮―上野間で架線を引っ張る重り設備が破断したトラブルで、JR東日本は22日、鉄製の重りがさびて膨張し、設備に強い力がかかったのが原因と発表した。2005年にJR山手線で同様の破断事故が起き、再発防止マニュアルはあったが、点検範囲を誤っていたという。 破断したのは重りを支える鉄製の棒「重錘(じゅうすい)ロッド」。現場では、通常の重りの上に補助重り3枚が載せられていた。重りが膨張して補助重りの落下防止金具とロッドが接触し、破断したとみられるという。 山手線事故を受けた再発防止策として、JR東はロッドと重りの間に5センチの間隔を確保することを決め、年1回点検してきた。だが、マニュアルで測定範囲の表現があいまいだったため、現場では補助重りの高さを考慮せず、通常の重りとの間隔を測定し「異常なし」と判断していたという。 補助重りを使う365カ所の… この記事は有料記事です。残り102文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「頂き女子」の詐取金受け取り、元ホストの初公判 司法判断に注目
渡辺杏果 国方萌乃2024年2月22日 22時14分 「頂き女子りりちゃん」を巡る詐欺事件に絡んで、ホストクラブへの支払い代の原資が詐取金だと知りながら受領したとして組織犯罪処罰法違反などの罪に問われた元ホスト田中裕志被告(26)の初公判が22日、名古屋地裁であった。田中被告は起訴内容を認めた。 検察側は冒頭陳述で、田中被告は2021年3月ごろ、勤務先の新宿・歌舞伎町のホストクラブで、SNSで「頂き女子」を自称していた渡辺真衣被告(25)=詐欺などの罪で公判中=と知り合い、その後も指名されて接客していたと指摘。その際に渡辺被告から収入源は「パパ活」で、それは詐欺だとの説明を受けていたとした。 起訴状によると、田中被告は21年10月1日ごろ、ホストクラブの責任者の男(34)と共謀し、渡辺被告が男性からだまし取った犯罪収益だと知りながら、飲食代として909万円を受け取ったとされる。 渡辺被告は3人の男性から1億円以上をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われている。(渡辺杏果、国方萌乃) 組織犯罪処罰法を適用 ホスト問題切り込む試金石になるか ホストクラブへの高額な支払いや売掛金(ツケ)が女性客の売春などを誘発していると指摘されている。警察はこれまで、売春防止法違反容疑で女性側を摘発する一方、売春などを「強要」「あっせん」したとしてホスト側も摘発してきた。ただ、多額の飲食代を受け取る行為そのものについて刑事責任を追及するのは難しいとされてきた。 そんな中、愛知県警が田中被告に適用したのは組織犯罪処罰法だ。渡辺被告が支払った飲食代が「犯罪収益の移転」とみなせると判断した。その代金を調達した事情を認識していれば、支払いの原資の違法性についてホスト側にも責任を問うた形だ。 今回の事件で、ホスト側に支払われた飲食代が渡辺被告による詐取金だと検察がどう立証し、判決がどう判断するのか。結果次第では、捜査機関が「ホスト問題」に切り込む新たな武器になる試金石になり得る。(国方萌乃) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
踏切内の男性、電車にはねられ死亡 助けようとした男性も重体 愛知
2024年2月22日 23時02分 22日午後6時5分ごろ、愛知県岩倉市の名鉄犬山線の踏切で、男性2人が快速特急電車にはねられた。80代とみられる男性が搬送先の病院で死亡し、60代とみられる男性も意識不明の重体。県警は重体の男性が、踏切を渡りきれずにいた男性を助けようとして事故に巻き込まれたとみて調べている。 県警によると、亡くなった男性は当時、手押し車を押しながら踏切に入り、横断中に電車が接近して遮断機が降りた。現場に居合わせた目撃者は県警に対し、重体の男性が取り残されていた男性を助けようとして、踏切内に入ったと説明したという。現場の踏切には遮断機と警報機が備え付けられていた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
生活保護費の減額は「自民公約に忖度」 処分を取り消す判決 津地裁
山本知弘2024年2月22日 19時47分 国が生活保護費の基準額を2013~15年に最大1割引き下げたのは違法だとして、三重県内の受給者が自治体の減額処分の取り消しを求めた訴訟の判決が22日、津地裁であった。竹内浩史裁判長は減額の背景に「自民党の選挙公約への忖度(そんたく)があったと推認できる」と指摘。厚生労働相の裁量権の乱用を認めた上で、減額は違法だと判断して原告17人への処分を取り消した。 判決は、憲法が保障する「最低限度の生活」を具体的に設定するためには、高度な専門的な考察に基づく政策判断が必要で、専門的な知見を無視した政治的判断をすることは許されないと指摘。その上で、引き下げ決定を巡って厚労相は「考慮すべきではないことを考慮した」と批判した。 具体的には、2012年には、お笑い芸人の親族の生活保護費の受給問題を巡る「バッシング」が起きており、同年の衆院選で自民党は生活保護費の1割減を選挙公約に掲げていたと説明。こうした状況を背景に、厚労相が専門的知見を度外視して拙速に引き下げをしたとした上で、その理由は「政治的方針を実現しようとしたものとみるほかない」と指弾した。 こうした判断の過程や手続きには「全体として過誤または欠落があった」とし、これに基づく各自治体の処分も違法だと結論づけた。 判決後、弁護団長の石坂俊雄弁護士は「かなり突っ込んだ内容で、裁判官が信念を持って書いたと思う」と判決を評価した。 同様の訴訟は全国29地裁で起こされ、原告勝訴が相次いでいる。昨年11月には名古屋高裁の控訴審判決で地裁も含めて国に初めて賠償が命じられた。(山本知弘) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル